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Vol.16
2011年1月16日号
Theme:悠久の時を見つめて
Vol.17
2011年1月23日号
Vol.15
2011年1月9日号
悠久の眼差し/アンコール・トム
石の菩薩とアジア最大の石造寺院
クメール王国600年の繁栄を偲ぶ壮大なアンコールは、東京23区に匹敵するエリアに大小の遺跡が点在する。城壁都市、アンコール・トム(「大きな町」の意)の中心部にあるバイヨン寺院には2m程の石塔が立ち並ぶ。塔の4面には観世音菩薩ともいわれる尊顔が彫られているが、表情は奇妙とも不気味ともつかぬ…謎めいた微笑である。こうした像が50体近く林立する光景は圧巻だ。アジア最大の石造寺院、アンコール・ワット(「大きな寺院」の意)が表わしているのは宗教的な宇宙観だろうか。荘厳な気が満ち、我を忘れて立ちすくんだ。クメール滅亡後忘れられ、1860年に再発見したのはフランス人アンリ・ムオとされている(ガイドブックにも書いてある)。ところがそれ以前に、何人もの日本人がこの地を訪れている。たとえば江戸時代の武士、森本右近太夫が1632年(寛永9年)に訪れたことは、墨で残した彼の落書きが証明している。「祇園精舎の跡地」と勘違いしたようだが、定説より200年以上も前に日本人が詣でていたというのは驚きであり、愉快な話である。



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カンボジア王国
文化遺産/アンコール

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