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Vol.14
2011年1月2日号
Theme:悠久の時を見つめて
Vol.15
2011年1月9日号
Vol.13
2010年12月26日号
木の根に抱き込まれた仏頭/ワット・プラ・マハタート
栄華を極め、戦いに破れ、信仰は続く
20年前から幾度も訪れているアユタヤは、私のたいへん好きな街である。四方を川に囲まれ、貿易で栄えた水の都。近代に入り、中国や日本、ヨーロッパとの交易によって世界屈指の大都市となった。
ワット・プラ・マハタートで菩提樹の根に抱き込まれた仏頭を初めて目にした時は、一瞬立ちすくんだ。戦いの果てに切り落とされ、地面に転がった仏頭が菩提樹の成長とともに長い歳月をかけて根に取り込まれたのだろう。それは偶然のなせる技だが、あまりに不思議な、異様な眺め。根は、大切なものを抱くようにも見える。人間の想像力を超えた自然の力に私は圧倒された。
アユタヤ王朝が築いた華麗な仏像美術は、18世紀、ビルマ軍の侵攻によって無惨に破壊され、この仏頭のようにジャングルの中に消えた。今、栄華を極めた痕跡として残るのは、王族の葬儀や祭礼などが行なわれたワット・プラシー・サンペットや、顔が一体一体異なる座仏像が連なるワット・ヤイ・チャイ・モンコンなどで、現在もなお人々の信仰のよりどころとなっている。




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タイ王国
文化遺産/古都アユタヤ

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