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Vol.29
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Theme:お伽の国に迷い込んで
Vol.30
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2011年4月10日号
トゥルッリの小道
メルヘンに秘められた歴史
南イタリアのアルベロベッロに立ち並ぶとんがり屋根の白い家。トゥルッリと呼ばれるこの地方独特の住居は、石灰岩を積んだ壁に円錐形の屋根を載せ、白く塗ったシンプルなもの。屋根の頂きに円盤や球の飾りを付けたり、屋根に星や十字のシンボルマークを描いたりして個性を出している。450m四方の土地に1500軒がぎっしりと立つその風景は、本当にメルヘンの世界だ。
しかし、トゥルッリの歴史には「可愛い〜」とばかりは言えない、農民の苦労が秘められていた。かつてこの地を治めた貴族が、王から課せられた家屋の税を逃れるため、家屋調査が入る前に「屋根を壊せ」と農民に命じた。「家ではない」と主張するためである。解体と建設を繰り返すよりなかった農民は家の形を必死に考え、ついにトゥルッリを作り上げたというのである。圧政に苦しんだ人々の知恵と工夫が結晶したトゥルッリ。しかし、眩しい陽光に照らされた姿はそんな背景を微塵も感じさせず、どこまでも明るくメルヘンチックである。それは、イタリアの風土が醸し出す魔法だろうか?



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イタリア共和国
文化遺産/アルベロベッロのトゥルッリ

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