Vol.60
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Theme:天井の美
Vol.61
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2011年11月13日号
ロココ芸術の宝石
牧草地に立つ何の変哲もない外観の教会。しかし、扉を開けてびっくり。良い意味で、こんなふうに裏切られる経験はめったにできないだろう。
ドイツ、ロマンティック街道の終点、フュッセンのヴィース教会の内部は華やかなロココ芸術で埋め尽くされていた。淡彩と金を基調とした華麗な色彩の装飾はヨーロッパ随一ともいわれ、特に、天井フレスコ画は「天から降ってきた宝石」と讃えられる。
この教会は、1738年、ある農家の夫人がシュタインガーデン修道院の修道士が彫った「鞭打たれるキリスト」の木像をもらい受けたところ、6月14日このキリストの像が涙を流したことに始まる。教会ではこれを奇跡とは認定しなかったが、「ヴィースの涙の奇跡」として噂が広まり、巡礼者が農家にどんどん集まるようになった。そこで建てられたのがこの教会である。手がけたのは、ロココ芸術で有名なツィンマーマンで、生涯最高の傑作という。完成後、彼は死ぬまでこの村で過ごしたらしく、よほど気に入ったに違いない。



ドイツ連邦共和国
文化遺産/ヴィースの巡礼教会

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