週刊 世界遺産×地球への讃歌 - イルリサット[デンマーク領グリーンランド]

vol.48
2014年3月30日

イルリサット

[デンマーク領グリーンランド]

vol.49
2014年4月6日
vol.47
2014年3月23日

アイスブルーに輝く
壮麗な流氷のオブジェ

■世界遺産登録名/イルリサット・アイスフィヨルド
 イルリサットとは、グリーンランド語で「氷塊」を意味する言葉。土地の8割が氷河とフィヨルドで、住居はそれ以外の露出した岩山の上に建てられているイルリサットは、まさに氷塊の町だ。
 氷河から1日に20mという世界有数のスピードで海に押し出されてくる膨大な量の氷塊は、砕けて氷山(アイスブルグ)となる。砕けるといっても、大きなものは高層ビル並みの高さがある。そんな巨大氷山が、太陽の沈まない白夜の下、眼前の海に浮かんでいる光景を想像してほしい……。
 フィヨルドを出て湾内の海流に揉まれると、氷山は砕けたり割れたりして、流氷となって海を漂っていく。流れは思いのほか速く、翌日、見に行っても同じ景色がないので見飽きることがない。
 流氷の海へ船で漕ぎ出してみた。溶け始めた氷はさまざまな形を生み出していて、海面はまるでオブジェが漂う展覧会のよう。降り積もった雪が長い歳月をかけてゆっくりと凍結した氷は透明度が高く、青い光だけを反射するのだという。アイスブルーに輝き、海中に沈む部分まで透けて見える氷塊が、鳥肌がたつほどの美しさをまとっていた光景を忘れることができない。
富井義夫



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