週刊 世界遺産×地球への讃歌 - 遊牧の民が暮らす極北の大地[スウェーデン]

vol.40
2014年2月2日

遊牧の民が暮らす極北の大地

[スウェーデン]

vol.41
2014年2月9日
vol.39
2014年1月26日

北極圏の冬の夜空を彩る
千変万化のオーロラの世界

■世界遺産登録吊/ラポニアン・エリア
 先住民族が5000年も前からトナカイの群れを追って暮らしてきた北極圏のラップランド。このエリアには険しい山や美しい湖畔など、はるか昔の自然の面影が色濃く残っている。
 そうした大自然のパノラマが一面の銀世界に覆われる冬、上空では華麗な光のショーが繰り広げられる。オーロラの出現だ。
 夜空に突然、淡い色味の帯が現れる。その帯が瞬く間に空いっぱいに広がって、幻想的な発光を見せ始める。白銀の大地さえ染めようかという光の乱舞に出会った瞬間、全身に震えが走る……。
 光の帯は生き物のように頭上をうねりながら刻一刻と姿を変えてゆく。その間、数分程度だろうか。やがて光は収束し、周囲は何事もなかったかのように元の静寂に包まれる。
 有史以前から営まれてきた遊牧の民の暮らしが残り、天空をオーロラが舞うところ。ラップランドは人類が共有している自然の宝物だ――そんなことを考えていると、国境ですら不要なものに思えてきた。オーロラも、広大な雪原にトナカイを追う遊牧民にも、地図上の国境線はないに等しい。国や民族を超えてありのままの自然を後世に残すこと。それが世界遺産のあるべき姿だろう。
富井義夫



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