週刊 世界遺産×地球への讃歌 - 仙境の地 黄山[中国]

vol.25
2013年10月20日

仙境の地 黄山

[中国]

vol.26
2013年10月27日
vol.24
2013年10月13日

雲海が沸き立つ稜線と
断崖の松が描く伝説のパノラマ

■世界遺産登録名/黄山
 黄山(ホワンシャン)は独立したひとつの山ではなく、70を超える険しい峰が連なる一帯。雲海が沸き立ち、山の稜線に沿って雲が流れ落ちてくるような場所だ。切り立つ岩崖と、しがみつくように生える無数の松のコントラストが、浮世離れした風景を演出する。天下第一を称する名山は、まさに仙人が棲まうような境地。山水画の原型を思わせる世界が広がっている。
 登山道はよく整備されているが、極端に幅が狭い箇所がある。伝説のパノラマを眺望できるポイントも、目がくらむような断崖の上にあるので、それなりの心の準備は必要だろう。
「天下の名勝、黄山に集まる」といわれるほど見どころの多い黄山は中国の人びとの憧れの地となり、多くの文人・墨客が訪れて水墨画や漢詩などオリジナリティあふれる中国文化が創出された。この自然風景がなければ生まれてこなかったであろう独自の文化が認められ、黄山は文化遺産としても登録されている。
 黄山市の屯渓老街という通りには古い建物が残り、硯や筆、宣紙などの店が軒を連ねる。時間があれば、大自然のもとで開花した中国文化の薫りにも触れてみることをお勧めしたい。
富井義夫



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