週刊 世界遺産×地球への讃歌 - ジャイアントパンダ保護区群[中国]

vol.26
2013年10月27日

ジャイアントパンダ保護区群

[中国]

vol.27
2013年11月3日
vol.25
2013年10月20日

強靭な適応力で絶滅を免れた
かつての肉食動物の残存種

■世界遺産登録名/四川ジャイアントパンダ保護区群
 絶滅の危機にさらされているジャイアントパンダの30%以上に相当する、約500頭が暮らす山岳地帯。7つの自然保護区と9つの景勝区からなり、森林や渓谷にはレッサーパンダやユキヒョウなど希少な野生動物も棲息している。
 ジャイアントパンダは、ミアキスという大昔の動物から進化した肉食哺乳類。現在も食肉目に分類される。竹を食べるようになったのは、食糧が不足したことから偏食を余儀なくされたためで、身近で調達できる竹を主食とするようになったらしい。その証拠に、現在も腸は肉食動物と同じ長さしかなく、草食には不向きだという。ただし最近の研究で、繊維質を分解できる腸内細菌を宿していることもわかってきた。こうした細菌と共生することで竹を食することに成功し、絶滅の危機を免れてきたのだ。
 成都市の近郊にパンダ繁殖研究基地がある。中国でも指折りの人工繁殖センターで、ジャイアントパンダの子どもと直に触れ合うことも可能だ。ここで育ったジャイアントパンダを野生に戻す試みも始まっている。彼らが四川省のふるさとの森に帰ることができれば、絶滅の危機から救う大きな一歩になるだろう。
富井義夫



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