週刊 世界遺産×地球への讃歌 - 雲海に覆われる武夷山[中国]

vol.36
2014年1月5日

雲海に覆われる武夷山

[中国]

vol.37
2014年1月12日
vol.35
2013年12月29日

幻の銘茶の産地としても名高い
岩山渓谷の名勝地

■世界遺産登録名/武夷山
 三十六峰、九十九岩といわれ、太古の地殻変動で生まれた峻峰や奇岩が林立する武夷山(ウーイーシャン)。福建省は古くから交通の便の悪いところだったが、そんな閉じた環境が長く続いたため、幽玄な景色と豊かな自然がほぼ完璧な形で残されている。
 細く急な階段を1時間ほどかけて、武夷山を一望できる天游峰に登ってみた。天を突くような断崖に霧がかかり、見下ろせば急峻の絶景が広がっている。これぞまさしく中国絵画に描かれる渓谷世界。雄大な眺めにため息がもれる。眼下を流れる九曲渓の渓流は武夷山でもとくに風光明媚なところで、人びとが竹製の筏で川下りをしながら名勝を楽しんでいる。
 武夷山は、烏龍茶の銘茶として有名な武夷岩茶の産地としても広く知られるところ。奇岩の割れ目などに長い歳月をかけて根を張った岩茶の自生木は、武夷山の岩地が蓄えている天然のミネラル分を吸収して育つ。なかでも最高級品とされる「大紅袍」は、武夷山にたった6本の原木しか持たない幻のお茶だ。
 美しい景観と自然の恩恵の両方を享受できる武夷山は、まさに天からの贈りものである。
富井義夫



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