週刊 世界遺産×地球への讃歌 - 屋久島[日本]

vol.23
2013年10月6日

屋久島

[日本]

vol.24
2013年10月13日
vol.22
2013年9月29日

伐採を免れた杉の巨木と
大自然に包まれた魅惑の山岳島

■世界遺産登録名/屋久島
 一般的な杉の概念とかけ離れた、重厚な、うねる文様の樹相。数千年の風雪に耐えてきた縄文杉の木肌を見ていると、神々しささえ感じてしまう。見上げると天空を覆うように広がる樹冠。縄文杉の推定樹齢は2170〜7200年と諸説あるが、いずれにしろ屋久杉を代表する巨木であることは間違いない。
 登山口から縄文杉までは片道11km。標高差700mのルートを5時間ほどかけて登る。その途中で出会うのが有名なウィルソン株。江戸時代初期に切り倒されてしまった大株だ。島津藩の主導のもと、江戸300年のあいだに屋久杉は次々と伐採された。その後いったん伐採は禁止されるが、高級木材として林野庁の主導で再び切り倒されていった。たくさんの古い切り株を目にするが、これらがもしもすべて生き残っていたとしたら、いったいどんな森の風景が見られただろうか……。
 むろん杉の巨木だけが屋久島ではない。九州最高峰の山を擁する屋久島には、苔むした岩木と清流が一体となった森や巨岩を抱く奇観の山、美しい海と、三拍子そろっている。島の人びとが対峙し、慈しんできた自然。そのすべてが次世代への遺産なのだ。
富井義夫



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