週刊 世界遺産×地球への讃歌 - 地底に広がる洞窟群 カールズバッド[アメリカ合衆国]

vol.12
2013年7月21日

地底に広がる洞窟群 カールズバッド

[アメリカ合衆国]

vol.13
2013年7月28日
vol.11
2013年7月14日

億単位の歳月が築きあげた
地下のアート博物館

■世界遺産登録名/カールズバッド洞窟群国立公園
 エレベーターで一挙に地下230mまで降下すると、テーブルの上にランタンが置かれたランチルームに出る。洞窟の壁をそのまま使った洞窟カフェテリアとは、洒落た趣向ではある。
 ランチルームを通り抜けて、カールズバッドを代表する巨大洞窟ビッグルームへ。この洞窟は一周するのに軽く1時間はかかる。
 80あまりあるカールズバッドの洞窟は、シャンデリアや天使、トーテムポールに見立てられるような、独特の形をした鍾乳石であふれている。一つひとつにユニークな名前がつけられているので、まるで地底のアート博物館にやってきたような感じがする。
 パークレンジャーが同行するツアーでしか見ることのできないシーニックルームズ(景色のよい部屋)も美しい洞窟だ。ツアーの途中、レンジャーの指示で懐中電灯や携帯電話などすべての灯りが消された。そこにあるのは、目を開けているのか閉じているのかさえ判然としない完璧な暗闇。聞こえるのは、どこかで水滴がしたたり落ちるかすかな音だけだ。
 光や音の洪水から切り離されたわずかな時間だけ、億単位の長い歳月のあいだ洞窟を支配してきた闇と静寂の世界が蘇った。
富井義夫



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