週刊 世界遺産×地球への讃歌 - 世界最大の洞窟群グヌン・ムル[マレーシア]

vol.29
2013年11月17日

世界最大の洞窟群グヌン・ムル

[マレーシア]

vol.30
2013年11月24日
vol.28
2013年11月10日

魅惑的な巨大洞窟が点在する
熱帯雨林の陸の孤島

■世界遺産登録名/グヌン・ムル国立公園
 小型プロペラ機で、鬱蒼とした密林に囲まれたムル空港へ降り立った。宿泊施設は一軒のリゾートホテルと数軒のバンガローのみ。ここはグヌン・ムル国立公園専用の空港といってもいいかもしれない。こんな陸の孤島に空港までできたのは、熱帯雨林の森の下に世界でも類をみない巨大洞窟群があるからだ。
 ディア・ケイブと呼ばれる洞窟は入口の大きさも世界最大級。内部に入るとさらに巨大な横穴が続いていて、スケールの大きさに舌をまく。夕刻、数百万ものコウモリがエサを求めて一斉に飛び立っていく姿は壮観な眺めだ。コウモリは風になびく煙のように一群となって、続々と夕闇の空のかなたに消えてゆく……。
 ほかにも石筍が美しい光沢を放つ洞窟や全長110kmにおよぶ長大な洞窟、世界でいちばん巨大な地下空洞サラワク・チャンパーなど、個性あふれる鍾乳洞が待ち構えている。
 帰路の飛行機はあいにくのスコールで飛べなくなり延泊を余儀なくされたが、これも旅につきもののハプニングのひとつ。だいたい自然相手になんでも思うとおりにはいかないのである。自然遺産への旅は、できるかぎりゆとりをもって出掛けたいものだ。
富井義夫



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