週刊 世界遺産×地球への讃歌 - カッパドキア[トルコ]

vol.19
2013年9月8日

カッパドキア

[トルコ]

vol.20
2013年9月15日
vol.18
2013年9月1日

奇抜でユーモラスな自然の彫刻と
地底の巨大洞窟都市

■世界遺産登録名/ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群
 キノコを思わせるような奇岩がニョキニョキと林立する。火山活動でできた柔らかい岩の上に固い地層が重なったこと、長い侵食作用があったことなど、さまざまな条件が重なった偶然の産物とは思えないほど、その姿はユーモラス。意図的な創作意欲さえ感じさせる、風変わりな光景である。
 壁にぽつぽつと小さな穴が開いている岩山は、異教徒の目を逃れるため、内部をくり抜いて造られたキリスト教会。何の変哲もない岩肌は擬態で、なかに入ってみると室内は見事な色彩で描かれたフレスコ画で埋め尽くされていた。
 奇岩地帯から少し離れたデリンクユの町にある地底都市も度肝を抜かれた場所だ。井戸のような穴から地下85mまで通気孔が貫かれ、家畜小屋、厨房、ワイン倉庫、教会と地下八層までアリの巣状に部屋が築かれている。一万人ものキリスト教徒がここに潜み暮らしていたというからすごい。
 何万年にもわたる自然の営みが生み出した奇観と、それを利用しながら自分たちの信念を貫こうとした人びと。人と自然の二つのドラマがカッパドキアには詰まっている。
富井義夫



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