週刊 世界遺産×地球への讃歌 - 異彩を放つメテオラの奇景[ギリシャ]

vol.38
2014年1月19日

異彩を放つメテオラの奇景

[ギリシャ]

vol.39
2014年1月26日
vol.37
2014年1月12日

孤高の修道院が建設された
高さ数百mの巨岩群

■世界遺産登録名/メテオラ
 柔らかいカルスト台地を山脈から流れ出た川の水がえぐり、風雨が岩肌を削る。何千万年という長い歳月、そうやって侵食され続けた結果、生まれた奇岩は60あまり。高さが400m近い巨岩もあるが、これはもはや山の標高だろう。そんな断崖絶壁の上に修道院が建ち並ぶ。こうした巨岩群と修道院が類例のない独特の景観を生み出していることから、メテオラは自然遺産と文化遺産の両方の価値をもつ複合遺産に登録されている。
 メテオラの名はギリシャ語で「宙に浮く」という意味のメテオロスに由来するが、修道院はまさに天空に浮かんだところにある。俗世を離れ、神に近づくことを望んだギリシャ正教会の修道士には願ってもない場所で、14世紀以降、続々と修道院が造られた。
 ふもとから眺めると、それにしてもすごいところに建設したものだと感嘆のため息がもれる。人や物資の運搬には綱の梯子や巻きあげ機を使ったようだが、命がけの作業だったはず。崖の上に畑も作り、ワインまで醸造していたというから自給自足に近い生活を送っていたのだろう。修道士たちが求めたそんな暮らしを文字どおり足元から支えたのがメテオラの巨岩群だ。
富井義夫



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