週刊 世界遺産×地球への讃歌 - 太古の時を刻むグランド・キャニオン[アメリカ合衆国]

vol.5
2013年6月2日

太古の時を刻むグランド・キャニオン

[アメリカ合衆国]

vol.6
2013年6月9日
vol.4
2013年5月26日

谷底は20億年前の地層
遠大な歴史が刻み込まれた巨大渓谷

■世界遺産登録名/グランド・キャニオン国立公園
 見渡すかぎり断崖と谷間が続く。グランド・キャニオンは総延長445kmにおよぶ世界でも指折りの巨大峡谷である。
 断崖には縞模様になった赤と白の地層が見られるが、そのラインがいちばん美しく見えるのは朝夕の陽の光を浴びる時。峡谷が赤く染まると、断崖の地層だけでなく、深い谷底をもつ峡谷の陰影まで浮き彫りにされて、一帯は荘厳な雰囲気に包まれる。
 谷底へ降りられるトレイルも整備されている。最下層の谷底に露出している地層は20億年も前のもの。グランド・キャニオンは下に行くほど古い地層になっていくから、このトレイルを下るだけで、果てしない歳月を過去に向かって歩いてゆけるわけだ。
 ただし谷底まで歩くには相応の体力が必要で、一泊二日が基本になる。そこまでやるのは無理でも、中腹のプラトーポイント(5億5千年前のカンブリア紀の地層)なら日帰りが可能だ。最上部の地層が2億5千年前のものだから、ここまで往復すれば、ざっと見積もっても3億年分のワープを体験できることになる。
 気の遠くなるような太古の歴史を岩肌に刻み込んでいる広大な峡谷。それがグランド・キャニオンだ。
富井義夫



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