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No.17 アマルフィ海岸〔イタリア〕|週刊 世界遺産×富井義夫 - 最新ヨーロッパの人気世界遺産めぐり

No.17
2014年8月10日

〔イタリア〕

アマルフィ海岸

Costiera Amalfitana

 小さな岬が現れては消える。そんな入り組んだ海岸線に見え隠れするように点在する美しい町が、アマルフィ海岸の最大の魅力である。イタリアでも指折りのリゾート地としてヨーロッパ中に知られ、シーズンともなれば各国からバカンスを楽しもうという観光客が大勢集まってきて、小さな町のボルテージはどんどん上がっていく。
 そのひとつ、ポジターノの町に船で入った。アマルフィ海岸の町といえば海に面した傾斜地に貼りつくように建物が立ち並んでいる景観が有名だが、船上から眺めたポジターノはまさにそのイメージどおり。浜辺から断崖の上までパステルカラーの家々がぎっしり連なって建っている。
 街を歩いてみると、想像以上に急斜面である。高台のホテルから細い路地を下っていけばすり鉢状になった浜辺が待っていて、人々が優雅にバカンスを楽しんでいる。人口4000人にも満たない町だが、ハリウッドスターや有名人の別荘もあるらしい。アマルフィ海岸を代表する高級リゾート地である。
 ポジターノから十数kmほど離れたところには、アマルフィという名の町がある。ポジターノとはまた違った独特の雰囲気をもつ町だ。
 小綺麗な広場が町の中心。広場の背後には格子模様が目を惹くドゥオーモが鎮座している。ドゥオーモ前の階段には、地図を覗き込むツーリストや世間話に花を咲かせる地元の人々がいつも座り込んでいる。
 小さな町だが、目抜き通りに軒を連ねる土産物屋やオープン・カフェは活気に溢れていた。雰囲気はポジターノより庶民的だろうか。観光地だけれど地元感があり、古びたところや雑多な感じがリゾート地のホスピタリティといい具合にミックスされている。
 アマルフィは、かつてヴェネツィアやジェノバをしのぐ海洋都市国家だったという。新興の都市国家ピサの侵攻を受けて繁栄に終止符が打たれたが、町の繁栄の名残は目に見えないところで受け継がれてきた。そして、昔ながらの趣と美しい海の両方を満喫できるリゾート地として再生したのだ。
 アマルフィも山と海に挟まれた僅かな土地に上へ上へと積み上げるように家々が建設されている。その土台ともいうべき最下層の通りの店をのぞいてみたが、相当古い。帰宅する町の人々はそこから階段を登り続ける。この階段がまた入り組んでいる。家と家とが折り重なるように建てられているため、階段の道は観光客にとってはまるで迷路だ。
 路地を登り切ったところで、ティレニア海と街の全貌が見渡せた。夕陽を浴びて街全体が輝いている。取り立てて有名な建築があるわけでもないのに心地よく懐柔されてしまう。アマルフィはそんな町だ。
 ほかにも標高350mの丘の上にあるラッヴェロは魅力的な町のひとつ。ビーチ・リゾートの華やぎとは異なる落ち着いた雰囲気で、貴族の古い邸宅などがある。ヴィラ・チンブローネは1900年初頭に建てられた館。テラスから見下ろすように眺めるアマルフィ海岸のパノラマ風景がすばらしく、グレタ・ガルボも一室を隠れ家として滞在していたという。
 アマルフィ海岸から次の予定地へはバスを使って移動した。断崖の上の曲がりくねった道では、岬を回ってくる対向車に自らの存在を知らせるため、バスは警笛を鳴らし続けながら走る。世界一美しいとも言われるアマルフィ海岸は、こうした交通の難所ゆえに、極端な観光開発に晒されることもなく昔ながらの町が残ったのだろう。安らぎを覚える古いたたずまいに、高いホスピタリティが実現しているイタリアを代表するリゾート地帯だ。
富井義夫




アクセス:アマルフィ海岸〔イタリア〕 【所在地】
イタリア南部、カンパーニャ州サレルノ県に属する。ソレント半島南岸のソレントからサンルノまで、約30kmに及ぶ海岸線をアマルフィ海岸といい、アマルフィ、プライアーノ、ポジターノ、ラヴェッロ、ヴィエトリ・スル・マーレなど特徴的な集落が点在する。

【アクセス】
ナポリ中央駅からソレントまで列車で約1時間。