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No.29 マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園〔イタリア〕|週刊 世界遺産×富井義夫 - 最新ヨーロッパの人気世界遺産めぐり

No.29
2014年11月2日

〔イタリア〕

マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園

I Sassi di Matera

 中央駅を出たものの、これといって特徴ある町には見えなかった。ガイドブックに散策の拠点と記された広場を目指して歩き出したのだが、その広場を過ぎたあたりから周囲の様子が一変してきた。迷路のように入り組んだ道の先に、岩山にびっしり貼り付いた家々が見える。旧市街へ入ったらしい。
 その昔、この岩山に「サッシ」と呼ばれる横穴式の洞窟住居が掘られた。そこが手狭になってくると洞窟の入口の上にどんどん住居が増築されて、現在のような景観が生まれた。一見しただけでは、どこが岩山でどこからが増築された住居なのかも判然としない。それほど岩山と人の暮らしが渾然一体となってしまった、奇妙な光景が広がっている。
 旧市街を歩いていて行き着いたのは、岩盤を掘り抜いて造られたサンタ・マリア・デ・イドリス教会。サッシに溶け込んでしまったような建物だ。現在でもこんな岩窟教会が数多く残っている。
 マテーラの旧市街は、ほかの世界遺産都市のように手厚く保護されてきたわけではない。政府による強制移住によってゴーストタウンになったことさえある。それでも人々はこの町に戻ってきた。そんな住民はおおらかで、旅人に対してとてもフレンドリーだと定評がある。迷宮のような路地をのんびり散策できる良さが、この町には残っている。
 昼間は灰色がかって見えた街も、家々に明かりが灯ると美しい夜景へと姿を変える。岩山と暮らしてきた人々のぬくもりが、オレンジ色の灯に宿っている。そんな夜の景色がたまらなく魅力的だった。
富井義夫




【所在地】
イタリア南部、バジリカータ州マテーラ県に属し、グラヴィナ渓谷の西斜面に築かれた洞窟住居群。

【アクセス】
ローマ・テルミニ駅からバーリ中央駅まで高速列車で約4時間20分、そこからマテーラ中央駅まで列車で約1時間30分。