No.23 ヴァティカン市国〔ヴァティカン市国〕|週刊 世界遺産×富井義夫 - 最新ヨーロッパの人気世界遺産めぐり

No.23
2014年9月21日

〔ヴァティカン市国〕

ヴァティカン市国

Vatican City

 ヨーロッパだけでなくラテン・アメリカをはじめとする世界中のカトリック教会の総本山があるのは、ローマのほんの一角。面積は東京ディズニーランドほど。独立国家としては世界最小である。そんなミニ国家なのだが世界各国に大使を派遣し、通貨や切手も発行している。常識的に考えればあまりにも特殊な国なのだが、そもそもどうしてこういう国が成立したのだろうか。
 ローマ法王はかつて北イタリアに広大な領土をもち、絶大な権力を誇っていたという。それが1870年、イタリア統一ですべての領土を失う。ところが、ムッソリーニが法王の権威を利用するために領土を認めたことからヴァティカン市国が誕生した、という経緯がある。このときムッソリーニが築いたのが、サン・ピエトロ大聖堂から延びるヴァティカンのメイン・ストリート「和解の道」である。
 ヴァティカン観光のメインとなる建物は、サン・ピエトロ大聖堂とヴァティカン宮殿。サン・ピエトロ広場の入口にはピエタと呼ばれる悲しみの聖母像が置かれている。ミケランジェロの傑作だが、防弾ガラスで覆われているのは、精神を病んだ学者がこの像にハンマーで殴りかかったためらしい。この事件以来、ピエタはいっそう人々の注目を集めることになった。巨大な聖堂には、ほかにもラファエロ、ミケランジェロ、ベルニーニなど巨匠たちの作品が無数に納められている。
 一方、法王の住まいでもあるヴァティカン宮殿には、複数の美術館、聖書の写本などを所蔵する図書館、有名なシスティーナ礼拝堂など数多くの施設が含まれる。さすがにこれらの美術品や建物を1日や2日で見て回ることは不可能だ。ヴァティカン市国の魅力に触れるには、相応の時間が必要になる。
富井義夫




【所在地】
ローマ市北西部にあるヴァティカンの丘の上、テヴェレ川右岸に位置する世界最小の独立国。城壁内にはサン・ピエトロ大聖堂やヴァティカン宮殿、システィーナ礼拝堂など見所が目白押し。

【アクセス】
ローマ・テルミニ駅からバスで約25分。