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No.09 ドナウ河岸、ブダ城地区及びアンドラーシ通りを含むブダペスト〔ハンガリー〕|週刊 世界遺産×富井義夫 - 最新ヨーロッパの人気世界遺産めぐり

No.09
2014年6月15日

〔ハンガリー〕

ドナウ河岸、ブダ城地区及びアンドラーシ通りを含むブダペスト

Budapest, including the Banks of the Danube, the Buda Castle Quarter and Andrássy Avenue

 ハンガリー人の2/3は、アジア系の騎馬民族を祖先とするマジャル人だ。彼らは子どものころに蒙古斑が現れる。あるいは名前を呼ぶときの順番も、日本と同じでファミリー・ネームが先にくる。そんな話を聞いて親近感を抱いてしまった。ヨーロッパ大陸の真ん中にどことなく日本と似たような国があるのは─もちろん騎馬民族の長い遠征の結果なのだろうが─楽しくもあり、不思議な気もする。
 ハンガリーの首都ブダペストは、ドナウ川が街をブダ地区とペスト地区に2分する町。ウィーンを意識しながら造られた町だけあって見どころも多い。
 ブダ地区にある王宮の丘は、街を眺めるのに絶好の場所。大河ドナウが街の中央を滔々と流れる景色が一望できるし、対岸には、贅を尽くしたことで有名な国会議事堂を眺められる。
 この丘にあるのが、歴代の王の戴冠式が行なわれたマーチャーシュ教会。オスマン・トルコの征服時にはモスクに改装された歴史をもつキリスト教会である。礼拝堂に入ると、イスラム独特の色彩を放つ内装にパイプ・オルガンという異色の組み合わせが目を引く。同じようなイスラム色の名残は、街の随所に見ることができる。たとえば、市内に多数ある温泉浴場も元をたどればトルコ式浴場であり、オスマン帝国がもたらした遺産のひとつだ。
 ヨーロッパ大陸でいちばん古い地下鉄も走っている。ノスタルジックな車両に乗ってオペラ駅で降りれば、そこは並木道が美しいアンドラーシ通り。オペラ座や博物館が立ち並ぶ、洗練された大通りだ。
 これだけの町がいつ建設されたのだろうか。調べてみると、意外にも19世紀半ばから20世紀にかけての比較的新しい時代だということがわかる。ブダペストのシャンゼリゼといわれるアンドラーシ通りも、その下を走る地下鉄も、宮殿のような国会議事堂も、夜景が美しいくさり橋も、すべてこの時代の建造物なのだ。オスマン・トルコによる征服、ハプスブルク家による支配と続き、国土も分割される過酷な歴史をかい潜ったあと、ブダペストは復興に目覚め、爆発的な都市づくりがスタートした。オーストリア=ハンガリー二重帝国時代の首都ウィーンを追い越せとばかりに、わずか半世紀で現代の街の基盤が整備されたのである。
 観光の足という点ではブダペストの地下鉄やトラムはよく整備されている。ただ、タクシーはちょっと怪しい。かなり前の話だが、撮影を終えてひょいと乗り込んだタクシーに、ホテルまで5分走っただけで5000円という法外な運賃を要求されたことがあった(もちろん妥当な運賃だけ払って退散したが)。
 このとき、ホテルの部屋に戻ってビールを飲み干してから、まあな、と思った。外国人相手のタクシー事情の不可解さは、なにもこの町に限ったことではない。要は一方的に言いなりにはならないこと。あとで知ったことだが、ハンガリー政府観光局も悪徳タクシーに関して注意を呼びかけている。それにしても、こういう事態に直面するたびに尋常ではない疲労感を覚えてしまうのは確かだけれど。
 観光パンフレットには「タクシーはホテルで呼ぶこと」とも書いてある。それならホテルからタクシーに乗って夜景ドライブに出かけるのもいいのではないか。この町が輝きを増すのは夕刻から夜にかけて。丘の上から町の夜景を一望し、ドナウ川に映し出される幻想的な夜のくさり橋をぜひ見て欲しい。そうすればきっと、再び訪れたい町のひとつとして心に刻まれるはずだ。
富井義夫




アクセス:ドナウ河岸、ブダ城地区及びアンドラーシ通りを含むブダペスト〔ハンガリー〕 【所在地】
ハンガリーの首都、ブダペストは、ドナウ川西岸の丘陵地帯のブダ地区と、東岸の平坦地に開けたペスト地区から成る。

【アクセス】
ブダペスト・フェリヘジ国際空港から市街までバスで約45分。