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No.10 プラハ歴史地区〔チェコ〕|週刊 世界遺産×富井義夫 - 最新ヨーロッパの人気世界遺産めぐり

No.10
2014年6月22日

〔チェコ〕

プラハ歴史地区

Historic Centre of Prague

 市内を貫通するヴルタヴァ川が左岸と右岸に街を二分し、ランドマークは川に架かる古い石橋─そんな町の基本構造はブダペストとよく似ている。規模はプラハの方がいくぶんコンパクト。繁華街もまとまっている感じがする。路面電車に地下鉄を加えれば、あとは徒歩で見どころの大部分を回ることができてしまうが、古い建造物がプラハならではの独特の陰影を放っていて、旅人の心を揺さぶる。音楽や文学にも共感と特別な美意識をもつ町として知られ、世界中から人々が訪れる。
 カレル橋は重厚な美しい石橋だ。600年間、現役の橋でもある。古い文書によれば、この橋は1357年9月7日の午前5時31分に礎石が据えられたことになっているという。この数字を並べると"135797531"。左右どちらから読んでも同じ数字だ。これは当時、流行していた数秘術という占術によるものらしいが、なにか曰くありげな雰囲気が漂う。
 カレル橋のたもとから見える美しく古い街並みは、プラハの城下町マラー・ストラナ。その上段から、プラハ城がヴルタヴァ川を見下ろすように建っている。城内にある聖ヴィート大聖堂は、チェコを代表する芸術家アルフォンス・ミュシャが手がけたステンドグラスが輝く。
 人口120万と、首都としてはさほど大きい町ではないにもかかわらず数多くの芸術家を輩出しているのも、プラハという町の奥深さのひとつだろう。少しガイド的になるけれど何人か列記しておきたい。
 まずクラシック音楽。プラハ出身の音楽家といえばスメタナやドボルザーク。「わが祖国」や「新世界」は聴いたことがある人も多いのではないだろうか。
 市内を歩けば手軽なコンサートの案内板をいたるところで見かける。開演の呼び込みに声を張り上げている人にも出くわす。大上段に構えなくても、プラハには日常的にクラシック音楽があふれている。
 アルフォンス・ミュシャ(チェゴ語読みは"ムハ")もプラハ出身。女性の長い髪や淡い色彩、細かく繊細な装飾性に秀でた絵を描いたミュシャは、後年はチェコに戻って創作に没頭した。プラハにはミュシャ美術館があるのでファンにはお薦めだ。
 ある朝目覚めると巨大な虫になっていた─そんな主人公の顛末を描いた小説『変身』で知られる作家フランツ・カフカもプラハの生まれ。ユーモラスななかに孤独や不安が渦巻く、独特の夢のような世界を描いた。プラハにはカフカが間借りしていた部屋、彼が通ったカフェや映画館も現存している。
 自分の好きなコースをたどったあとは、カレル橋のたもとにも足を運んで欲しい。夕刻、プラハ城やカレル橋、周辺の建物がライトアップされると、中世の建物がいっせいに夜空に浮かび上がる。この町の懐の深さがにじみ出ているような景観である。
富井義夫




アクセス:プラハ歴史地区〔チェコ〕 【所在地】
ヴルタヴァ(モルダウ)川両岸に開けたチェコの首都。西岸地区のプラハ城内には、旧王宮や聖ヴィート大聖堂が、カレル橋を渡った東岸地区には旧市街が広がり、旧市庁舎やティーン聖堂、国民劇場、ユダヤ人地区がある。

【アクセス】
プラハ・ルズィニェ国際空港から市街までバスで約35分。