vol.49
2013年3月3日

ラパ・ヌイ国立公園

[チリ]

vol.50
2013年3月10日
vol.48
2013年2月24日
絶海の孤島で製造された
巨石像からの永遠のメッセージ
■世界遺産登録名/ラパ・ヌイ国立公園
 ほんとうの意味で「絶海の孤島」とはこういう島をいうのだろう。人が住むいちばん近い島でも2000キロメートル離れていて、360度、湾曲した水平線しか見えない。そんな孤絶した場所で800体を超えるモアイ像が製造され、やがて打ち捨てられた。
 巨石像の切出場がラノ・ララク火山の中腹にある。石切場一帯には、土に埋まり顔だけ突き出しているものから岩肌に輪郭をとっただけのものまで、あらゆる製作過程のモアイ像がごろごろしている。ついさっきまで石工たちが作業をしていたのに、突然全員がいなくなってしまったかのような、奇妙な雰囲気が漂う場所だ。
 ラパ・ヌイでは十八世紀に部族間の抗争が激化、モアイ像を破壊し合った。さらに奴隷商人の暗躍で島の人口は激減。宣教師がロンゴ・ロンゴというポリネシア固有の文字が書かれていた木簡もほとんど焼き払ってしまった。ラパ・ヌイの文化や伝統を継承する者はいなくなり、巨石像にまつわる謎も多くが未解明のまま残された。
 モアイ像は海ではなく陸を向き、虚空を見すえるように立っている。集落を見守っているともいわれるが、わたしには何かをじっと考え、諭すような遠い目をしてたたずんでいるように見えた。




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