vol.24
2012年9月9日

古代エジプトの遺跡 アブ・シンベル神殿

[エジプト]

vol.25
2012年9月16日
vol.23
2012年9月2日
古代エジプトの叡智が生み出した
神秘的な岩窟神殿
■世界遺産登録名/アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群
 岩肌に彫られた、20メートルもの巨大なファラオを見上げる。アブ・シンベル大神殿の入口に鎮座するラムセス2世像だ。
 この神殿は3000年以上前、ラムセス2世によって、岩山をくり抜いて建造された。大列柱が並ぶ通路の最深部に「至聖所」と呼ばれる一室がある。一年のうちの春と秋の2日だけ、入口からこの奥の部屋まで朝陽が一直線に射し込み、安置されている像を照らし出す。しかしそれも長くは続かず、やがて光の筋は何事もなかったかのように消えてゆくのだという。「光の奇跡」とでもいうしかない、古代エジプトの叡智が生み出した傑作である。
 じつをいうと、神殿は昔からここにあったわけではない。アスワン・ハイ・ダムの建設で水没の危機に瀕したため、ユネスコが世界的な救済キャンペーンをはり、神殿を断片に分けて高台(現在地)にそっくり移築するという前代未聞の工事が行なわれたのである。
 25年ほど前、このニュースに衝撃を受けたわたしは、それ以後ライフワークとして世界中の遺産を撮影して回るようになった。壮大で神秘的なアブ・シンベル神殿は、わたしにとって世界遺産を巡る旅の原点となった忘れられない場所だ。




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