vol.30
2012年10月21日

宗廟

[韓国]

vol.31
2012年10月28日
vol.29
2012年10月14日
500年前の伝統音楽が捧げられる
壮大な祖先追悼の儀式
■世界遺産登録名/宗廟
 大都会ソウルの街の一画に、深い樹木に囲まれた場所がある。朝鮮王朝時代の歴代の王や妃の位牌を祀った宗廟(チョンミョ)だ。
 王族が亡くなると宮廷で三年喪が行なわれ、その後、位牌がここへ移されてきた。宗廟には正殿と永寧殿の2つの霊廟があるが、中心となるのは、建物が横に広がる独特の造りをした正殿。功績のあった王や妃はこの正殿に、それ以外は永寧殿に祀られている。
 5月の第一日曜日、宗廟では、亡くなった王や妃に礼を捧げる儀式「宗廟祭礼」が大々的に執り行なわれる。朝鮮王朝時代は年5回、深夜に行なわれていたというが、現在は1年に1度、明るい太陽のもとで王朝絵巻のような光景が繰り広げられる。
 舞に合わせて奏でられる音楽は「宗廟祭礼楽」と呼ばれるが、15世紀の原型を保ったまま伝えられていると聞いて興奮を覚えた。500年前と同じ音色を直接、耳にする貴重な機会だ。
 もうひとつ驚いたのは、祭礼を主催しているのが韓国政府ではなく、歴代王族の末裔である全州李氏の一族だということ。つまり、この儀式は過去の行事を再現したものではなく、現代まで引き継がれている祖先追悼の儀式なのである。




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