vol.28
2012年10月7日

紀伊山地の霊場と参詣道

[日本]

vol.29
2012年10月14日
vol.27
2012年9月30日
山岳の手つかずの自然とともに残る
有史以前の信仰の原風景
■世界遺産登録名/紀伊山地の霊場と参詣道
 熊野古道の名で知られる世界遺産。山岳の豊かな自然と神話の時代から続く信仰が一体となって、独特の景観を生み出している。
 霊場として挙げられるのは、山伏たちの修験道の聖地「吉野・大峯」、100を超える寺院がひしめき合う真言密教の「高野山」、熊野信仰の中心「熊野三山」。このうち熊野三山と呼ばれる地帯は、原生林を抱える那智大滝、イザナミノミコトが葬られた花の窟、新宮市街を見下ろす高台に鎮座するゴトビキ岩などがあり、自然崇拝を源とする日本の古代信仰の原風景を見つめることができる場所だ。
 巨岩「ゴトビキ岩」を祀る神倉神社で毎年2月6日に行なわれる御燈祭(おとうまつり)は、熊野神の来臨を再現した神事だ。祭りの日は徹底した女人禁制がひかれ、派手なライトはいっさいなし。暗闇に包まれた境内に白装束の男たちが集結し、松明の灯りをかざすと、凹凸の激しい鎌倉時代の坂道をいっきに駆け下りる。山が炎で染まり、無数の灯りが怒濤のごとく下っていく光景は「下り竜」とも評されるが、観光化されていないそのありさまは古代の信仰の姿を彷彿とさせる。
 御燈祭が終わると、南紀州の山は早春を迎える季節に入る。




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