vol.16
2012年7月15日

トロードス地方の壁画教会群

[キプロス]

vol.17
2012年7月22日
vol.15
2012年7月8日
朴訥とした建物の内部に築かれた
息をのむような祈りの空間
■世界遺産登録名/トロードス地方の壁画教会群
 女神アフロディーテ(ヴィーナス)誕生の伝説が伝わる島国キプロス。地中海にのぞむ美しい入り江や沿岸絶壁の景観は世界的に有名だが、オリンポス山を中心に広がる内陸部の山岳地帯トロードスには、海辺のリゾート地では味わえない深い趣が残っている。
 ぶどう畑が一面にひろがる丘陵地帯。この一帯に点在する、寒村といってもいいほど小さな村々に、世界遺産に認定されたギリシア正教の9つの聖堂と1つの修道院がある。そのほとんどが、古い民家か小さな礼拝堂と見紛うような質素な造りの建物だ。
 「アシィヌの生神女聖堂」は、山奥の村から5キロほど入ったところにある、12世紀初頭に建てられた教会。朴訥とした外観をしばし眺め、なかに入ってその落差に驚いた。内部はビザンティン様式の壁画で埋め尽くされていたのだ。キプロスでもっとも美しい、と聞いてはいたが、その称讃に値するみごとな壁画だった。
 急勾配の木組みの屋根をもつ「大天使ミハイル聖堂」や、丘の上にたたずむ「救世主顕栄聖堂」のフラスコ画もまたしかり。
 素朴な建物の内側に、篤い信仰心を育む空間が秘められている。観光国キプロスの人びとの別の一面に触れた気がした。




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