vol.26
2012年9月23日

タージ・マハル

[インド]

vol.27
2012年9月30日
vol.25
2012年9月16日
溺愛した王妃への想いが生んだ
気品高い白亜の霊廟
■世界遺産登録名/タージ・マハル
 皇帝シャー・ジャハーンが溺愛した王妃ムムターズ・マハル(「タージ・マハル」はこの妃の名前からきている)をしのんで建てた壮大な霊廟。シンメトリで洗練されたプロポーションをもち、気品高い純白の大理石が使われている。猛暑のインドにいても、大理石造りだから、建物の中はひんやりとした風が吹きぬけて心地よい。
 晩年に皇帝は息子の手で幽閉されてしまうのだが、その場所が、タージ・マハルから徒歩15分ほどのところにあるアーグラ城だ。こちらは赤茶けた砂岩で造られた、要塞の風貌をしている。土足禁止のため靴を脱ぐと、足裏が焼けるように熱い。わずかな距離なのに、2つの建物には天国と地獄のような違いを感じる。
 幽閉されたアーグラ城から皇帝は日々タージ・マハルを眺め、悲嘆に暮れながらこの世を去ったと伝えられ、タージ・マハルは愛の記念碑として美しく語られる。なるほどそうかもしれないが、わたしは半ば国政を放り出してまでこれほどの建物を建造することに心血を注ぎ込んだ皇帝の「情念」のようなものを感じてしまった。
 建物は人間を映し出す鏡だが、タージ・マハルには皇帝のどのような想いが宿っているのだろうか。




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